お茶農家さんの教える本当に美味しいお茶の見分け方【永久保存版】

お茶農家さんの教える本当に美味しいお茶の見分け方【永久保存版】

今回教えてくれる先生

坂元園製茶 代表 坂元修一郎 さん

坂元さんは、長年のお茶の栽培の経験を活かし現在、鹿児島県茶生産協会の会長としてもご活躍されております。

坂元さんは鹿児島県だけにとどまらず、素晴らしい日本のお茶と文化を後世に残すため、日本だからできる、高級でハイクオリティな日本茶の開発。そして、日本でお茶を作る人達が誇りを持って仕事ができるよう海外との交流を通じ日本文化を広める取り組みもされています。

 

今回は坂元さんに農家だからわかる美味しいお茶の選び方と育て方を教えてもらいました!

 

まず美味しいお茶を知るには肥料を知ることが大切

坂元園では栄養豊富な有機発酵肥料「ボカシ」を独自に作っています。

このボカシがお茶のうまさの秘密となります。

肥料にはミネラルが必須

生物の源の海には豊富なミネラルや栄養素が眠っています。

鹿児島県肝付町のホモンフェルス。泥岩はかつて海底に積もった泥が固まったもの。豊富なミネラルを含み、有機物も含まれることも多い。

坂元園ではボカシ肥にミネラルを添加。生命のスープ海の恵みのミネラルを茶の木が取り入れ、活き活き育つよう工夫しています。

なぜミネラルが必要なのか?

生物や植物はかつてミネラルの豊富な海から生まれました。

鮭は川から海に、海から川に帰り、熊に食べられることで海から持ち帰ったミネラルを山に還元します。

森の中に住む象も土を食べミネラル不足を補います。

現在、人間が育てた野菜にはミネラルが不足しているといいます。

収穫して持ち出した野菜のミネラルが土に帰ってこないからです。

ミネラルのパワー

生活排水にミネラルを添加し、10日経った後の様子。右がミネラルを添加した生活排水。

お茶に異なるミネラルを入れて3日間放置した実験。

一番右にマグネシウムを添加。マグネシウムには活性酸素を防ぎ緑色を保つ作用があることがわかります。

坂元さんによると、他の種類のミネラルもそれぞれお茶の生育に作用するそうで、カルシウムはお茶の重さに作用し、病害虫や耐寒性に役立つといいます。

有機栽培でたっぷりの栄養を与えることが大事

化学肥料と有機肥料の育ち方を試した実験

※写真左が有機肥料で栽培。右が化学肥料で栽培。

写真左が有機肥料で栽培。右が化学肥料で栽培。右のほうが成長後、葉色が薄くなっているのが解ります

有機肥料、化成肥料で野菜を栽培し比較した実験

写真半分左が有機肥料で栽培。半分から右が化学肥料で栽培。右のほうが虫に食われているのが解ります。

トマトもしっかり元気に有機栽培で育ったほうが身が締まり水に沈みます。

なぜ虫に食べられたり葉色が薄くなったりするのか?

有機肥料で育ったトマトが水に沈むように、元気に育った植物は細胞密度が高くなります。

お茶も同じで、たっぷり肥料を与えられて育った茶葉は元気に育ち、細胞密度が高まり、緑色が強く、光沢がある元気な葉に育ちます。

実際に茶葉を比較してみる

有機肥料で栽培した茶葉。光沢が強く光をしっかり反射し、みずみずしい。

化学肥料で栽培した茶葉。葉の色が薄く葉の厚さが薄い。

有機肥料で栽培した茶葉。茶の木の中までたっぷり茶葉に覆われています。

化学肥料で栽培した茶葉。茶の木の中がスカスカになっているのが解ります。

茶葉を光に当ててみると

有機肥料で栽培した茶葉(左)。化学肥料で栽培した茶葉(右)。一見、右の葉は大きく強そうですが・・・

有機肥料で栽培した茶葉(左)。化学肥料で栽培した茶葉(右)。右は光を通し、左は光を通していません。つまり細胞密度が小さいことが解ります。

茶葉を何日も置いておく実験

有機肥料で栽培した茶葉(左)。化学肥料で栽培した茶葉(右)。

有機肥料で栽培した茶葉(左)。化学肥料で栽培した茶葉(右)。その後、右は早く枯れてしまい、水の色も濁っているのが解ります。

お茶農家直伝。良い茶の見分け方。

生葉を蒸す

2日間置く

茶葉を煮出す

 

良いお茶は、2日経っても水色がまだ緑色です(写真右)。

左は酸化し赤くなっています。

生葉なんて触っったことないよ!という方は茶葉を高温で煮出してしばらく置いておくとお茶の品質がわかります。

実際に茶葉が評価される基準

実際に茶市場で荒茶の競りが行われている様子。高温で煮出し水色が赤くならない(酸化しない)ものが高値で取引される。

昔はお茶を蔵に入れ寝かせ、後熟する抗酸化力の高いお茶(秋落ちしないお茶)が献上茶としてお殿様に献上された。

ずいずいずっころばしで有名な茶壺。

お殿様にお茶を届けるお茶壺道中は秋に行われたそう。

【まとめ】美味しいお茶の見分け方

①元気に育ち茶葉、葉層が厚くがっちりしている。

②酸化しにくく高温で蒸して煮出しても水色を緑色に保つ。

③生葉が手に入らない人は高温でお茶の葉を煮出してしばらく置いて色を見分ける。すぐに赤くなるものは品質の良くないお茶。

④秋まで品質を保つ(酸化しない)お茶が昔から重宝された。

 

坂元園の有機玉露はこちらからお求めいただけます。

 

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